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『おとうと』初日舞台挨拶 山田洋次監督、ベルリン国際映画祭 特別功労賞(ベルリナーレ・カメラ)受賞決定

2010年1月30日 土曜日

山田洋次監督が、2月11日から21日まで開催される第60回ベルリン国際映画祭にて特別功労賞(ベルリナーレ・カメラ Berlinale Kamera)を受賞することが、本日行われた『おとうと』初日舞台挨拶にて発表された。(授賞式は現地時間20日予定)
この賞は、映画界に多大な貢献をした個人、団体に授与されるもので、これまで、2007年/クリント・イーストウッド、日本人では2000年/市川崑監督、2001年/熊井啓監督の2名が同賞を受賞している。
なお、現代に生きる”家族”に寄り添い、明日への希望を描く山田監督の最新作『おとうと』が、クロージング・フィルムに選ばれ、非コンペ部門・現地時間2月20日上映予定。また、同監督の『京都太秦物語』(共同監督:阿部勉、立命館大学・松竹共同製作)もフォーラム部門・現地時間2月19日上映予定で、タレントキャンパス(ベルリン映画祭の企画)にも参加予定。ベルリン映画祭で同じ監督による新作2作品の上映というのは非常に珍しいケースとなる。

『おとうと』初日舞台挨拶 山田洋次監督・特別功労賞(ベルリナーレ・カメラ)受賞決定

初日舞台挨拶コメント

山田洋次監督
聞いたばかりでびっくりしていますが、かつて市川崑監督が受賞(2000年)したのと同じ賞をいただけるのは光栄です。映画のエンドクレジットで、「市川崑監督の『おとうと』に捧げる」という献辞をしていますが、この映画は崑さんの「おとうと」がヒントになって作った作品です。あの作品がなければ、今回の映画は作れませんでした。
奇しくもその市川崑監督がもらったものと同じ賞をいただき、崑さんが生きていらしたら、報告に行けたのになと思いました。長年僕の映画を観続けて下さった皆さんや、スタッフ・キャスト、特に「おとうと」のスタッフ・キャストに感謝申し上げます。

吉永小百合さんコメント
とても嬉しくて興奮しています。監督を胴上げしたいです。(「出来ないから、やめときなはれ!」とすかさず突っ込んだ鶴瓶さんに会場笑い)以前「母べえ」でベルリン映画祭に参加した際、現地の方々から温かい拍手をいただきました。ただ、賞をもらえなかったので、少しがっかりしたのを覚えています。ですから、今日は嬉しくて、嬉しくて、私も山田監督のお供をしてベルリンに行って、監督と喜びを分かち合いたいと思います。

おとうと
(C)2010「おとうと」製作委員会
監督:山田洋次
出演:吉永小百合/笑福亭鶴瓶/蒼井優/加瀬亮/小林稔侍/森本レオ/茅島成美/ラサール石井/佐藤蛾次郎/池乃めだか/田中壮太郎/キムラ緑子/笹野高史/小日向文世/横山あきお/近藤公園/石田ゆり子/加藤治子
脚本:山田洋次/平松恵美子
撮影:近森眞史(JSC)
照明:渡邊孝一
美術:出川三男
音楽:冨田勲
衣装:松田和夫
配給:松竹

山田洋次監督作品 ベルリン映画祭出品歴

1989年 『ダウンタウンヒーローズ』 コンペティション部門出品
1994年 『学校』 パノラマ部門出品
2003年 『たそがれ清兵衛』 コンペティション部門出品

たそがれ清兵衛
(C)2002 松竹/日本テレビ/住友商事/博報堂/日販/衛星劇場
監督・脚本:山田洋次
出演:真田広之/宮沢りえ/小林稔侍/大杉漣/吹越満/深浦加奈子/神戸浩/伊藤未希/橋口恵莉奈/草村礼子/嵐圭史/中村梅雀/赤塚真人/佐藤正宏/桜井センリ/北山雅康/尾美としのり/中村信二郎/田中泯/岸惠子/丹波哲郎
製作:中川滋弘/深澤宏/山本一郎

2005年 『隠し剣 鬼の爪』 コンペティション部門出品

隠し剣 鬼の爪
(C)「隠し剣 鬼の爪」製作委員会
監督:山田洋次
出演:永瀬正敏/松たか子/吉岡秀隆/小澤征悦/田畑智子/高島礼子/倍賞千恵子/田中邦衛/光本幸子/田中泯/小林稔侍/緒形拳
脚本:山田洋次/浅間義隆
撮影:長沼六男(J.S.C.)
照明:中岡源権
美術:出川三男
音楽:冨田勲
衣装:黒澤和子
原作:藤沢周平「隠し剣 鬼の爪」「雪明かり」より
配給:松竹

2007年 『武士の一分』 パノラマ部門及び特別部門出品 パノラマ部門オープニング上映

武士の一分
(C)2006「武士の一分」製作委員会
監督:山田洋次
出演:木村拓哉/檀れい/笹野高史/小林稔侍/赤塚真人/綾田俊樹/近藤公園/岡本信人/左時枝/大地康雄/緒形拳/桃井かおり/坂東三津五郎

原作:藤沢周平「盲目剣谺返し」(「隠し剣秋風抄」文春文庫刊)
脚本:山田洋次/平松恵美子/山本一郎
撮影:長沼六男(JSC)
照明:中須岳士
美術:出川三男
音楽:冨田勲
衣装:黒澤和子
配給:松竹

2008年 『母べえ』 コンペティション部門出品

母べえ
監督:山田洋次
出演:吉永小百合/浅野忠信/檀れい/志田未来/佐藤未来/戸田恵子/大滝秀治/笑福亭鶴瓶/坂東三津五郎

プロデューサー:深澤宏/矢島孝
原作:野上照代「母べえ」(中央公論新社)
脚本:山田洋次/平松恵美子
撮影:長沼六男(JSC)
照明:中須岳士(JSL)
美術:出川三男
音楽:冨田勲
配給:松竹

『ソラニン』完成披露試写会 舞台挨拶

2010年1月29日 金曜日

日付:1月28日(木)
場所:有楽町朝日ホール
登壇者:宮崎あおい/高良健吾/桐谷健太/近藤洋一(サンボマスター)/三木孝浩監督

登壇者コメント

宮崎あおいさん
今日はありがとうございます。
こうしてお客様の前に立つのは久しぶりなのでワクワクしています。

Q:会社を辞めてしまうOLという、ある意味普通の等身大の女の子の役やリアルな恋物語というのは宮崎さん自身も久しぶりの役かと思います。芽衣子役を演じてみて、なにか自分自身に新しい発見などありましたか?
演じている時は、やりたいことがあるのに前に進めない気持ちが分かっていなかったのですが、お仕事をさせていただく中で、自分が何を本当にしたいのか分からなくなったことがあったのですが、最近になって主人公たちの気持ちが分かるようになりました。
「乗り越えた先に何があるんだろう」というワクワクした気持ちを目指した人たちが、壁を超えて大人になっているんでしょうね。

高良健吾さん
「いよいよだな」という気持ちです。愛される種田役をやらせてもらいましたが、不安がありました。でも、仕事の意味を超えてやらせてもらいました。

Q:高良さん自身原作の大ファンだったということですが、今までの作品でも演じる役柄で全く印象の違う高良さんですが、今回、種田を演じるうえで意識したところなどありますか?
原作が好き過ぎて、不安や葛藤があったのですが、種田さんが赤信号で行ってしまったように、僕も行こうと思いました。
ファンの皆さんの「ソラニン」と映画の「ソラニン」が、ズレずに映画の中にあると思います。

桐谷健太さん
本当に一生懸命やりました。撮影は、まるでバンドで演奏しているところを盗み撮りされたような感じでした。それくらい、「みんなでバンドしたなー!」という感覚でした。

Q:映画の中で、友達思いで熱い男ビリーを演じていますが、素の桐谷さんもこうなのかな?なんて思ってしまう部分もあります。桐谷さんとビリーは似ていますか?役作りで気をつけたところがあれば教えてください。

そうですね。友だち思いのところやドラムが叩けるところ、そして、チャーミングなところが……遠いです、遠いです(会場笑)。
とにかく楽しみながらやらせてもらいました。本当に音楽が楽しくて、1人でスタジオに入って30回くらいは練習しましたし、近藤君や健吾とも一緒にスタジオに入って練習しました。体は疲れましたけど、まったく苦にならなかったです。

近藤洋一さん
ふだんはサンボマスターというバンドでベースを演奏していて、楽器を持たずに人前に立つことがないので、今日はまるで全裸で皆さんの前に立っているような気分です。
本当にいいバンドが出来たと思っているので、ぜひ楽しんで下さい。

Q:今回は、初めての演技とは思えないほど加藤になりきっていたように見えましたが、役作りなど苦労した点はありますか?
僕が演じた加藤は大学を6年留年している役でしたが、僕自身、2年留年して6年間大学に通っていました。そして、大学を出た後もこうしてバンドをしているので、親近感があってやっていて楽しかったです。また、今回のバンドが本当に素晴らしくて、本当に楽しい毎日でした。

三木監督
長編映画を監督するのは初めてでしたが、本当に素晴らしいキャストとスタッフが集まってくれて、撮影は本当に幸せな時間でした。
皆さんに愛される作品になってくれたら嬉しいです。

Q:三木監督といえばミュージック・ビデオでもストーリー物、感動モノの作品が多い印象なのですが、今回は初の劇場監督作品、人気漫画の映画化ということで意識されたこと、気をつけたことなどありますか?
僕も原作が凄く好きだったのですが、今回の映画化では、今まで撮り慣れていたライブの撮影などのように、テクニックを駆使して撮ってはいけない映画だと思いました。
ライブシーンの変化や感情の機微を撮らないといけないと思ったので、これまで培ってきた経験を壊すことから始めて、僕にとってもチャレンジでした。

宮崎あおいさん
Q:本作では初めて、「歌」と「ギター」に挑戦していますが練習は大変だったのでは?練習中の思い出やエピソードがあれば教えてください。
歌は苦手で、人前で歌うなんて無理だと思っていたのですが、いつまでも迷っていても仕方ないと思って、先生とマンツーマンで4ヶ月レッスンしてもらいました。ギターはコードが読めないので、指の場所で覚えました。
それから、ギターを演奏してみて、「こんなに面白いものなんだ」と思いました。
ライブハウスのお客さんの前でお芝居するのもとても気持ちよかったです。
撮影を終えた直後は全てを出し切った感じで、「よくちゃんと終えられたな」という気持ちの方が強かったんですが、今日、久しぶりにみんなと会って、またギターが触りたくなりました。

高良健吾さん
Q:高良さん自身も歌とギターに挑戦して、宮崎さんと同じく「ソラニン」の歌と演奏を練習したと思いますが、一緒に練習したりとか、宮崎さんと協力しあったことなどありますか?
歌いながらギターを弾くのが難しかったですね。全部で2ヶ月練習をしたのですが、自宅でも練習をして腱鞘炎になりました。
座って練習していて、ギターを弾きながら歌えるようになったので、立ってやろうとしたら「あっ、できねー」ってなりました(会場笑)。
今でもギターを弾いているし、音楽が好きなので、僕は、またこのメンバーでバンドを組んでみたいです。

桐谷健太さん
Q:本編を見ていても、ものすごくドラムが上手いと思ったんですが、以前からやってたりしたのですか?宮崎さん、高良さん、近藤さんとのライブでの共演というのはいかがでしたか?
高校の時に少しやっていたのですが、ちゃんと叩くのは10年ぶりだったので、しっかり練習しました。日増しに腕に筋肉がついて、僕の腕がたくましくなっているので、それも見所の1つです(会場笑)。

近藤洋一さん
Q:サンボマスターとしてプロで活躍する近藤さんから見て、今回のロッチメンバー(宮崎・高良・桐谷)のライブシーンはいかがでしたか?
初顔合わせがバンドの練習だったんですが、ほとんど会話もせずに、いきなり20分間演奏をしたんですが、「これはバンドだな」と思いました。

桐谷健太さん
その時「これはもらったな」と思いました。音が重なり合う瞬間の気持ちよさがあるんですよね。「あっ、俺、この人たちとバンドやっていくんだな」と、本当に思えました。
それからさらに練習して爆発したシーンが劇中に登場するので、楽しみにして下さい。

Q:ロッチメンバーのライブを目の当たりにしていかがでしたか?
三木監督
仕事柄たくさんのバンドを見てきましたが、演奏が上手なバンドはいても、グルーヴ感を出せるバンドってなかなかいないんですよね。
でも、今回のメンバーのバンドにはグルーヴ感があって、奇跡的だったと思います。最初の練習を終えた後、近藤君が「バンドだったね」と言ってくれたのが印象的で、「これは勝てるな」と思いました。

桐谷健太さん
実は終盤のライブで「ソラニン」を演奏する前に、「ささやか」という曲も演奏しているんですけど、使われるのはほん数秒なんですね。
でも、宮崎さんが「ソラニン」に気持ちをつなげるために全部、弾い歌えるようになりたいと言ったので、「ソラニン」の演奏シーンの芝居を撮るために、「ささやか」を演奏し終えてから、そのまま撮影に入りました。

最後に一言

三木監督
「ソラニン」は、音楽がテーマでなくても成立する映画で、誰もが日常で経験する些細な葛藤や悩み、痛みを描いた映画です。
皆さんの記憶とどこかでリンクすると思いますし、そういった痛みは一歩前に進むために必要なの糧になると思うので、。
映画を観ながら自分の記憶と照らし合わせて、明日への一歩になるものを少しでも感じてもらえたらと思います。

宮崎あおいさん
今、大人になってしまった人たちもきっと、映画に出てくる芽衣子や種田たちと同じような気持ちを味わって来たのではないかと思いますし、今、まさに「ソラニン」中の人たちも映画を観てもらえたら、何かを感じてもらえると思うし、思いっきり悩んで、思い切り壁にぶち当たって、それを乗り越えていけるきっかけになったらいいなと思っています。
優しい気持ちで観て下さい。そして楽しんで帰って下さい。

ソラニン
(C)2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会
監督:三木孝浩
出演:宮崎あおい/高良健吾/桐谷健太/近藤洋一(サンボマスター)/伊藤歩/ARATA/永山絢斗/岩田さゆり/美保純/財津和夫

原作:浅野いにお『ソラニン』(小学館ヤングサンデーコミックス刊)
脚本:高橋泉
撮影:近藤龍人
音楽:ent
配給:アスミック・エース
 
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